プレミアリーグ

20/21シーズン、好調な立ち上がり見せたプレミアクラブ3選

写真提供:Gettyimages

20/21プレミアリーグが開幕し、まもなく2ヶ月が経とうとしている。

昨シーズンと同様に、今シーズンもリバプールとマンチェスター・シティの2強に対し他のクラブがどう接近するかが注目ポイントだと考えていた筆者にとって、現時点の状況は非常に驚きである。今回は20/21シーズンの立ち上がりが好調であるクラブを3つ紹介したい。


カルロ・アンチェロッティ監督 写真提供:Gettyimages

エバートン

今シーズン最も好調なスタートを切ったのはエバートンである。開幕戦ではトッテナムとのアウェイゲームを制して勢いをつけ、開幕4連勝を果たし首位をキープしている。また10月25日のサウサンプトン戦の敗北まですべて複数得点をマークし、攻撃陣の好調さを伺える。

昨シーズンとの変化点は中盤にあり、かつて監督カルロ・アンチェロッティとともに過ごしたハメス・ロドリゲスやアランが大きく躍動していることが要因と考える。またワトフォードから加入したアブドゥライェ・ドゥクレの存在も大きく、チーム全体として守備にほころびがなくなった印象だ。また、新戦力の躍進に適応したドミニク・キャルバート=ルーウィンも決定力が向上し、第6節終了時点で7得点は大いに胸を張れる結果と言える。

何よりこの短期間で現有戦力と新戦力との組み合わせによる最適解をはじき出すことに成功したアンチェロッティの手腕も我々は見落としてはならないポイントだろう。レアル・マドリード、ナポリでも実績を出したとおり、彼の「最高のパフォーマンスを引き出す技」はここエバートンでも冴え渡っている。


ジョン・マッギン 写真提供:Gettyimages

アストン・ビラ

エバートンの次に好調と言えるのはアストン・ビラだ。昨シーズンこそギリギリでチャンピオンシップへの降格を回避でき、今シーズンはどうかと不安の目があったことは事実だが、ここまでの立ち上がりから振り返ると降格の心配は全くないと判断していいだろう。開幕から4連勝を飾り、第4節で昨シーズン王者相手にねじ込んだ7ゴールはフットボール界に大きな衝撃を与えた。

昨シーズンの反省点は大規模な補強策であり、スタメンの大部分を新戦力に依存した結果、連携面での不安を払拭することができずに残留ラインを浮遊することとなった。ジャック・グリーリッシュの覚醒もあり何とかプレミアリーグに踏みとどまったビラだが、その過程の中で貴重な経験値を得たことだろう。

中でもジョン・マッギンの躍動が顕著だ。チャンスメイクするだけでなく、プレッシングによる守備的貢献も大きい。ここまですべての試合にフル出場を果たし4つのアシストを記録。既に昨シーズン以上のアシストを記録しており、今後もマッギンには注目しないわけにはいかない。


デクラン・ライス(左)トマーシュ・ソーチェク(右)写真提供:Gettyimages

ウェストハム

今シーズンのウェストハムは一味違う。そんな違和感にも似た予感を感じるのはきっと私だけではないはずだ。ここまで6試合を消化し2勝2分2敗と一見好調と断定できる戦績ではない。しかし、対戦カードに注目すると、開幕戦のニューカッスル戦以降、アーセナル、ウルブス、レスター・シティ、トッテナム、マンチェスター・シティと簡単ではない相手が連なっている。そんな強豪との連戦を乗り越えてのこの戦績はむしろ奮闘していると考えていいだろう。ウルブス、レスターには複数得点で快勝、トッテナム、シティには主導権を握られながらもドロー。敗戦となったアーセナル戦も内容は圧倒していた。

強豪相手に太刀打ちできる理由は、昨シーズン以上により組織化されたからだと考える。第2節以降5-4-1のフォーメーションで戦い、守備を確実に行いながらチャンスを探るスタンスを一貫していることが好調の要因だ。この考え方を前提に、デクラン・ライス、トマーシュ・ソーチェク、パブロ・フォルナルス、ジャロッド・ボーウェンの4人から構成される中盤が攻守において決定的な仕事をする。ライスとソーチェクの研ぎ澄まされた危機管理能力で守備は軽減でき、フォルナルスとボーウェンの縦への突破力はマイケル・アントニオの攻撃をサポートできる。今中盤の構成で完成度が高いクラブの1つはハマーズと言っていいだろう。

名前:秕タクオ

国籍:日本
趣味:サッカー、UNO、100均巡り

サッカー観戦が日課のしがないサラリーマンです。かれこれ人生の半分以上はサッカー観戦に明け暮れ、週末にはキルケニー片手にプレミアリーグやJリーグにかじりついています。

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