beacon

立正大淞南が初戦で8発快勝、南監督「応援、支援でこの場に立てた」

このエントリーをはてなブックマークに追加

先制点を決めて喜ぶ立正大淞南FW古内快成(2年)

[10.24 選手権島根県予選2回戦 立正大淞南高8-0松江南高 松陸]

 第99回全国高校サッカー選手権の島根県大会は24日に2回戦を行い、5連覇を狙う立正大淞南高は、8-0で松江南高を破って白星スタートを切った。8月に関連を含めて108人が新型コロナウイルスに感染するクラスター(感染者集団)が発生。活動再開後もスーパープリンスリーグ中国の参加を辞退していたため、今年のチームにとっては、選手権が最初で最後の大舞台となる。南健司監督は「いろいろな方々の支援、応援でやっとこの場に立つことができたというのが、一番良かった。それ(応援や期待)に応える戦いが始まったことは、嬉しい」と支援者への感謝と、ようやく高みを目指す場に立てた喜びを語った。

 試合の立ち上がりは、ロングパスの蹴り合いとなったが、前半5分を過ぎると立正大淞南が、ボランチのMF日野康太(3年)を中心に地上戦を展開。前半11分、縦パスを受けた長身FW西谷宙(3年)が縦に流すと、FW古内快成(2年)がターン。前に出てきた相手GKをかわすように右アウトサイドでシュートを流し込み、先制点を奪った。古内は「選手権予選なので、簡単ではありませんでしたが、先制点を取って落ち着いて試合をできたので良かったです。先制点は、縦パス入るのが分かっていたので、ターンのイメージはできていました」と重要なゴールを振り返った。得点後、攻撃はテンポアップ。前半26分、左MFケイロス・サカノ・ルーカス(3年)のクロスに右MF多久和秀(3年)がダイビングヘッドで飛び込んで追加点を奪った。さらに前半30分、ケイロスが前線に預けると、西谷が切り返しでマークを外し、ゴール右にコントロールシュートを沈めて3点目。「普段、南先生から言われている『シュートを打つときは(力を)抜いて打つように』というのを意識しました。力を抜いてコースに流す意識で決めました」とこの舞台のために高めてきた技術を発揮した。続けて前半33分には、古内が直接FKを決め、前半で4点のリードを奪った。

 対する松江南は、地上戦での対抗を試みたが、ハーフウェーラインを越えられずに押し返される苦しい展開を強いられた。FW澤井秀真(2年)やMF青山拓磨(2年)が前方でパスコースを作ろうとするが、相手守備に予測されて、うまく縦パスが入らなかった。それでも後半に風上に立つと、相手CKを跳ね返して先発唯一の3年生であるMF宍道日向(3年)がドリブルでカウンターアタックを仕掛けるなど反撃。さらに、サイドチェンジを使って、相手のプレッシャーをかわし、敵陣にボールを運ぶ回数を増やした。しかし、後半12分、立正大淞南は古内のミドルシュートがクロスバーに跳ね返ったこぼれ球を途中出場のMF坂井悠飛(1年)が決めて5点目を奪い、試合のペースを渡さなかった。後半20分には縦パスから西谷が6点目を獲得。後半23分、右サイドからDF加藤史羅(3年)が蹴ったFKのこぼれ球を多久和が決めて7点目。最後は後半37分、相手GKのクリアを西谷がブロックし、こぼれ球を古内がグラウンダーでゴールへ流し込み、ハットトリック達成でダメ押しの8点目を奪った。

 古内は「夏の(集団感染の)時期は大変でしたけど、支援物資や応援の声を多くいただきました。その気持ちに応えられる大会にしたいですし、初戦を勝てて良かったです」と初戦の手ごたえを語った。昨季2年次で主力として活躍したメンバーを控えに置く陣容で快勝発進を切ったが、南監督は「今日は相手が後ろでパスをつないで来たけど、もしロングパスが多かったら、どうなるか。今季は、80分の試合を経験していないので、そこで体力が持つかという部分は、まだ判断がつかない」と、今後タフさを増していく戦いに警戒心は解かなかった。ようやくたどり着いた舞台での戦いは、当分、終えるつもりはない。次戦は、10月31日に行われる準々決勝。勝てば11月1日の準決勝、同7日の決勝と続く。

(取材・文 平野貴也)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2020

TOP