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2020年10月13日の深夜。オランダ・ユトレヒトで行われた日本対コートジボワール戦の親善試合は、最終盤、柴崎岳のフリーキックから交代で入ったばかりの植田直通がヘッドでたたき込んだゴールによって、1-0で日本代表が勝利を収めた。史上初めて欧州組だけで組まれた日本代表は、0-0で終わった9日のカメルーン戦に続き、アフリカの強豪を0点で抑えたことになる。この試合をサッカージャーナリストの後藤健生、大住良之の2人はどう見たのか。試合直後、深夜2時45分から始まった「激論」の話題は、日本代表の過去・現在・未来に及び、終わろうとする気配もなかったーー。―鈴木武蔵選手のところをもう少し教えてください。高校の時は左のサイドをやってましたよね、だけど、プロに入ってからはスピードを活かすプレーではなく、監督はみんな、トップで身体を張るプレーをさせますね。大住「背が高いからね。だけど、彼が一番よかったのは、アンダー17だかアンダー20だか忘れたけど、サイドで何回かぶっちぎってたことはあったけどね。彼は器用な選手ではないので、やっぱりサイドのほうが良い気はするけどね」後藤「トップやってるわりに、ここはシュートだ、というような決断力が足りないと思うんだよね」大住「なるほどね」後藤「僕は彼を偶然、高校の下級生の頃に最初に見たんだよね」―そんな前から?後藤「しかも、試合の後にそばに行って話した思い出がある。それで、ボールを持ってから考えるようところがあった、そんな話をした覚えもあるんだ」大住「ボールをもらう前に考えなきゃダメだよって?」後藤「そう。そんな話をした覚えがあるんだよね。もちろん、そのころから見たら、経験も積んで改善されているとは思うけど」■「鈴木武蔵は自由はあるけど、まだそこまで余裕はないね」大住「あとはトップ下なんだよね。札幌でもそうだったけど、前にボールを受けてポストになれる選手がいる間をね、すり抜けていくっていうのをね」後藤「ああ、そういう飛び出しをね」大住「そこからシュートを撃てたら、すごいシュートを撃つし」後藤「たとえば鎌田が前になって、武蔵が後ろから飛び出す形だって、できるよね」大住「だから、もう少しそういう風にしてみたら良かったと思うんだよね。武蔵が前で、鎌田が2列目じゃなくて。それは2人の間でも、ピッチの中でもできたと思うんだけど。入れ替わって、武蔵が横を飛び出していくというような形が。そういう風な自由はあるんじゃないの」後藤「自由はあるけど、まだそこまで余裕はないよね。代表でレギュラーになったわけでもないし」大住「でもそれは寂しいよね。ディフェンスが自由なことをやられちゃうと困るんだけど、前はさ。自由にやることで穴を開けちゃうとか、他の選手が困っちゃうのは、あれなんだけど。2人でやってみようよ、っていうのならね」■「岡崎先生の出番かな」「日本中のフォワードにチャンスはあるよね」後藤「そうそう。今言ったところは自由にやっても他に迷惑が掛からないものね」大住「だから武蔵は、はっきり言って今日はあまりよくなかったけど。彼は活かしようがあるし、活きようがあるのではないかな、と思う」―フォワードはもうちょっと期待したいですね。大住「トップで受けられる選手が、あとは誰がいるのかな、って感じだね」後藤「大迫が、この間の試合を見るとね、ちょっと今のままじゃ厳しいね」大住「いよいよ岡崎先生の出番だよ」後藤「まあ、日本中のフォワードにチャンスはあるよね」■「久保も窮屈な感じだった」「今日のマッチアップは気の毒だったね」―伊東純也には頑張っていただくとして、久保も鎌田も前より良かったと感じましたが。どうですか?後藤「久保は……どうだろうね」大住「久保も窮屈な感じだったよね、やっぱりサイドをやることによって、守備に追われている時間が多くて、味方が取ってボールがサイドに来た時には相手がガツンと来るし。相手はウィングバック的なプレーをしていたからね。かなりサイドのところを攻撃されていたよね」後藤「そういう意味じゃ気の毒ではある、今日のマッチアップはね」大住「その辺も右には動いていたことはあったけど、もうちょっと前線の4人が4-2-3-1でやればいいね。前線の4人が流動的でも。大迫がいるのなら真ん中で良いんだけど、3人は流動的になっても良いんじゃないかなって思うけどね。マリノスなんかもそうだよね、フロンターレもそうだけど。もっと流動的に。そうじゃないとやっぱり、どんどん目先を変えていって、相手が、なんだろう、って思うくらいじゃないと。個の力としては、なかなか難しいかな」後藤「そこは初めて組んだメンバーでやっているんだし、難しいね」■「久保は可能性を感じる」「ワールドカップまであと2年」大住「だけど久保は、本当にコーナーに追い詰められた時のプレーは上手いね。テレビで見て、彼が左にいて、こっちを向いてちゃんとプレーするじゃない? 中を見てね。ああいうプレーは、これから可能性を感じるよね。ただ前に出して一生懸命追いかけて、てきとうなボールを入れて、だれか来てくれ、っていうのではなくて。合わせるというちゃんとした意図があって、しかも見たうえでタイミングが遅くなっていない。ちゃんとクロスが入ってくるからね」後藤「抜かないでも、ちょっとしたコースをつければ、そこに入れてくるからね。それも、たまたまコースができた時に入れるんじゃなくて、自分から、ここにコースを作ろうとしてプレーしているからね」大住「タイミングまで合わせるからね、それがすごい。あとワールドカップまで2年?」後藤「ちょうど2年か」大住「まだサブで変化をつけるような形でも、とりあえずは良いんじゃないかなって感じはするけどね」大住良之,後藤健生
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