元バルセロナで長期離脱から復帰したベガルタ仙台MFイサック・クエンカ(29)が、後半戦巻き返しへの切り札になる。リーグ戦半分の17試合を終え、チームは17位で5連敗中かつ8試合未勝利。さらにリーグ唯一のホーム0勝と苦しんでいる。2月のキャンプ中に母国スペインで右膝半月板を手術し、長いリハビリ期間をへて、ついに先週から全体練習に合流。27日のホーム、セレッソ大阪戦には間に合わない見込みだが、仙台デビューは近づいている。

クエンカはコンディションについて「試合勘やゲーム慣れは足りない部分があるが、この数週間は特に良くなっている」。チームは17位と低迷するが「大事なのは試合に勝つこと。1試合勝てばモチベーションが高くなるし、もっと自信につながる」。チーム総得点16はリーグワースト2位。昨季はサガン鳥栖で29試合6得点を挙げ、J1残留に貢献しただけに、復帰直後からゴールに直結するプレーが期待される。

バルサ仕込みのテクニックを駆使してのドリブル突破、キープ力、変幻自在のパスで相手を翻弄(ほんろう)。さらに試合を読む力に自信があり、瞬時にベストなプレーを選択する。「まずはコンディションを100%に戻して、何の試合をめどにというよりも、できるだけ早く試合に絡みたい。1日1日を大事にして100%になるように頑張りたい」と戦線復帰を待ち望む。

木山監督はクエンカについて「大きなゲームとかチームの大きな枠の中に入っての練習はほとんどできていない」と現状を明かし、「戦術的には外から見て、ミーティングにも加わっているので、頭では理解してくれていると思う。それをピッチで体現できるかは、今試合に出すとなるとぶっつけ本番になる。彼の場合、かなり長い期間のけがでの離脱、膝というところを考えたときに慎重にならざるを得ない」と起用時期は明言しなかった。【山田愛斗】