ガンバ大阪の宮本恒靖監督(43)が、2試合連続で3選手同時に交代する“3枚替え”で、執念の2連勝を飾った。ホームの連敗も3で止めた。

前節北海道コンサドーレ札幌戦は後半29分に遠藤、渡辺、昌子を同時投入し、遠藤を起点にカウンターから渡辺が決勝点を奪った。この日も後半31分、遠藤、宇佐美、渡辺を同時投入。遠藤を起点に宇佐美が決勝点を奪う、神懸かった采配を披露した。

「(前半と後半で)選手の立ち位置や攻撃の方法を変えて、より球が相手陣内深いところに入るための方策にした」と宮本監督。宇佐美を今季初めて先発から外したのは「連戦もあるし、少し点が取れていない状況もあったので」。奮起を促す意味でも、パトリックとアデミウソンのブラジル人コンビを先発で起用し、宇佐美の反骨心に期待していた。

新人の山本をボランチの位置で起用し、直接FKで同点にした。レジェンド40歳の遠藤をあえてベンチに置き、関学大出身の22歳が5試合連続の先発だ。

これに指揮官は「与えたタスクはこぼれた球の回収、ドリブルする選手のカバーなど、たくさん求めていた中で守備面で強さがあった。出続けることでリズムもよくなっている。ラストパスの精度を上げたり、球を簡単に失うところは課題」と評した。

パナスタは、この日から入場者の上限5000人を撤廃し、約1万人の来場を想定していたが、5153人と数字上は大きな変化はなかった。ただ試合内容は今季のG大阪の中でも上位に入るもの。サポーターの手拍子など力強い応援もあった。18年途中の就任後、2分け3敗で苦手にしていた名古屋から初勝利を挙げた宮本監督は、後半の会心の攻撃や逆転劇に表情を少しだけ緩めていた。【横田和幸】